「学校の先生」を、この春退職しました。58歳、与えられた年限より5年早く、自分自身で幕を引きました。あたたかく見送ってくださったみなさん、36年間に出会ってくれたみなさん、本当にありがとうございました。
1988年春、大学の教育学部を卒業した私は、子どもの頃からの「学校の先生になりたい」という夢を叶え、浮かれていました。そんな私を嘲笑うかのように、現実は厳しいものでした。
心と体を損なうことなく、こうして無事に退職できたのが、正直「奇跡」のようにも思えます。
教員生活は、楽しいことも多かったのですが、思えば「ほっとする」瞬間は、一秒もありませんでした。私のもてる力の斜め上をいく難しい責任が、毎秒毎秒、試練のように私を待ち受けていたからです。