カラダの声を聴く

やはり年齢は嘘をつかないのでしょうか。あの日を境に、腰や背中がキリッ、ピキピキ、と痛むようになりました。「あの日」とは、3年間つながった高校生を見送り、ふと孤独と自由時間を手に入れた、あの日です。まるで、長いこと私自身に無視されていた私自身の体が「待っていました」とばかりに自己主張を始めたようでした。

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「男が上に」という呪いについて

「男が上に」という目に見えない毒による、自家中毒に苦しんでいる日本社会の姿、私にはそう見えるのです。「男は女の上に立たなければならない」と、誰かが刷り込んだ前世紀の呪いが、こんなタイミングであぶりだされ「どうするよ?TOKYO 大丈夫?」と世界の人から呆れられている、そんな風景です。

東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森会長の発言が、世界中に波紋を広げています。

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去りゆく人へ

別れの季節がまたやってきます。自分の子よりもずいぶん若い人たちと3年間を過ごしてきました。感染予防の距離をとるために、広い場所に離れて並んでいる若者たちの背中を見つめながら、ああ、私はまた、かれらを見送るのだなぁと、その現実をかみしめています。大切に握っていた糸が、自分の手を離れ、空に舞い上がる無数の風船を見上げるような気持ちです。

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家の中のキャンプ生活

寒い朝、聴きなれない音で目が覚めました。何だろうと窓の外を見ると、一面の雪景色の中、子ども達が集まって雪を集めています。九州地方の冬に銀世界は珍しくて、普段なら子ども達は雪だるまを作ったり雪合戦を楽しんだりとめったにできない雪遊びに興じるはずなのに、なぜか今日の彼らは、まじめに雪を集めています。その風景に違和感を覚えました。

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あなたのせいではありません

2021年が明けました。人のいない、酸素に満ちた森を歩き、地元の山に登ることが、私に与えられた、ささやかな贅沢です。一年ぶりの登山ですが、昨年よりもずいぶん楽に登頂できました。みはらしの良い展望台にも、人の姿はありません。お湯を沸かしてお昼にしましょう。山頂で淹れれば、コーヒーの味も格別です。

昨年よりも楽に昇れた理由は、春先に買ったトレッキングシューズで足元をかためたことと、夏以降に少しずつ体を鍛えたせいだと思います。ひとつ歳を重ねながら、体がむしろ強くなったことが、山登りをしてみることで、わかります。

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光満ちる時間へ

『冬至が過ぎると、ほら、一日一日、日が長くなってね、どんどん夕方が明るくなるのよ。不思議よね。』若い頃、ある先輩女性にそんな風に声をかけられて、初めて意識するようになりました。言われてみれば、これまでの暗い毎日が嘘のように、夕方がみるみる明るくなることに気づきます。

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クリスマスの魔法

クリスマスが近づくと、夢見がちな子どもだった私は、両親に「今年、うちにサンタは来るかな?」と聞きました。父も母も、「うちには来ないよ」と言いました。うちには仏壇はないけれど、お盆や暮れにはおじいさんやおばあさんの家に行き、仏様に手を合わせるだろう、そういう家にはサンタは来ない、父はそうきっぱりと言いました。私は、「そうなのか、だからうちにはクリスマスツリーもないのか」と、思いました。

ただ、たった一度だけ、まだ私が薪で風呂の焚き付けをしていた、あの木造長屋で暮らしていた頃、気まぐれなサンタが、私たちの枕元に立ち寄って、プレゼントを置いていったことがあったのでした。

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未来をよろしく

「今年、多くの人が命を絶ちました。人が命を落とすのは感染症だけではなく、心の問題が大きいと思います。僕は大学に行き、心理学を学びます。もう人が死ななくてもいいように、人の心の支えとなるカウンセラーになりたいからです。」彼が、そう言ったとき、私の中ですっきりと謎が解けたような音がしました。

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勝つことよりも

丸刈りの短髪が、不器用に伸びかけています。3年間着続けた学生服は、あちこち擦り切れて光っています。彼らが私のもとを訪れるのは、一年のうち、この時期だけです。

「体育大学に入学したい」という進路希望を持つ彼らが、この時期になると一生懸命作文を書いて持ってくるのです。

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手の中に戻された青春

文化祭で飾られた「切り絵のステンドグラス」です。「何十時間もカッティングナイフを握り過ぎて、指のはらが、ほらこんなにカチカチになってしまいました」と、高校生が誇らしげに語ります。こんなに手の込んだ作品を仲間と一緒に、こつこつと仕上げる根気とエネルギーはどこからくるのでしょう。「2度とできないと思います」彼らはそう言って笑います。「青春の魔法」にかかったのでしょうか。

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生れ出づる悩み 今世紀の場合

今日の画像は、ある高校3年生による作品です。

湧きだす白い雲と、水面に反射する美しい虹色の光に、吸い込まれるように目を奪われてしまいます。しばらくみつめた後、その作品から手を離して彼女に返してしまうのをさびしいと感じました。「この絵を見ていたい、できればこの絵の中の世界に行ってみたい」と思いました。この作品には、私のこころを惹きつける力が備わっていたということなのでしょう。つまり彼女は、高校生でありながら、すでにクリエイターなのだと思います。

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選べるしあわせ パンツでもスカートでも

「あなたが選んでね」若い人に この言葉をかけるのが好きです。

いままで何もかも大人に決められ「選ぶ機会」を与えられずに育ってきた子は、そのとき初めて「選び取る権利」を与えられ、ちょっととまどい、ぱっと顔を輝かせます。その一瞬を見るのが好きなのです。

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新しい習慣を得る方法

「人は誰でも、なにか新しいことを2週間続けると、それが新しい生活習慣になって身に着くそうです。それをきいて 僕も何か新しい習慣を身に着けたいと思いました。コロナで休校になり、部活動もできなかった期間、家で僕が始めたのは『一日20分間の寝る前の読書』です。今まで、本を読む習慣が全くなかった僕ですが、今では読書が生活習慣となってすっかり身に着いて、たくさんの本を読み続けています。」

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「友だち」じゃなくても

「あ ふたりは 初めてだよね?この人は クラスの○○さんで○○中学出身。こっちは同じ中学出身の○○さん」・・偶然会った昔の同級生と、今の友だちを、初対面同士で「紹介」して引き合わせ「友だち」じゃなくても「友だちの友だち」として、「知り合い」にしてあげること、そうして「 ○○ちゃんの友だち? よろしく ××です。○○中学出身なら、△△知ってる?」と、両者の人間関係をどんどん広げさせてあげること・・・。

若い人に対して、そういう練習をすることをお薦めしています。時間があれば、ロールプレイングをしてでも、この「他己紹介」と「自己紹介」の技術を、より早い段階で、子ども達に備えさせてあげることが、いま、日本の子ども達の、喫緊の課題になっているような気がしてならないからです。「友だち」未満の「知り合い」が、この世にふわっとたくさんいる、という日常を用意してあげることで、子ども達はずいぶん生きやすくなるような気がするからです。

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