出会いの季節がうまくいく5つのコツ

新しい年度が始まり、忙しさに埋もれている間に、あっという間に半月がたってしまいました。日本中のあちこちで「初めまして」という出会いが重ねられているのだなぁと思いながら日々を過ごしています。

私もまた、新しい職場に転勤し、周りの人に教えてもらいながら、仕事をひとつひとつ覚えているところです。「50代からの転勤はきつい」と、よく先輩から聞かされていましたが、若い人に教えてもらうことが、それほど苦にならない私は、そういう意味では救われているのだろうと思います。

8年ぶりの転勤を、私自身は楽しみにしていたのですが、それには理由があります。8年前の2013年の私と、今の私との間に大きな違い・・・たぶん「成長」があって、それは「自分レスキュー」という大きな「再生」をはさんで、もしかしたら別人に近いくらいの変化があるのではないか、そんな自分が、まったく新しい職場でやり直す時、どんな人間として新世界に溶け込むのだろうか、どんな「出会いの課題」が私に用意されていて、それを「再生した私」は、どんなふうに迎えるのだろうかと、それが楽しみでならなかったのです。

新しい職場は、ほとんど私の望むイメージの、いやもう少しななめ上を行く、生き生きとした場所でした。わからないこと、覚えなければならないことは毎日洪水の様に私を襲いますが「日々を過ごしながら、何度も周りの人に訊ねながら、ゆっくり覚えていこう」と、そんな自分を許すことに決めたら、それほど不安に感じることもなくなりました。

若いみなさんは、この出会いの季節を、どんなふうに迎えているのでしょうか。私自身も心がけている「出会いのコツ」を、少し紹介しますね。

出会いのコツ その1『心で握手する』「欧米の人々が 『握手』をする理由は、お互いの『手の内』を見せ合って『たがいに武器を持っていない』ということを確認しあうための儀式からきた習慣だ」と言います。つまり、初めて会う相手に対し、笑顔で「よろしく」と言い、自分自身の「攻撃性のなさ」を見せて、まずは相手に安心してもらいましょう。あなたと出会う初対面の相手も不安なのだと気づき、安心してもらうことを意識しましょう。

出会いのコツ その2『踏み込んだ質問を控える』これは、私自身があまりできていないので、自分自身への戒めの為に書き記しておきます。年上と年下とで言葉遣いが違ってくるアジア圏の人々は、まず初対面で年齢を確認したり、家族構成を訊いて既婚か未婚か、子どもはいるのかを聴いたりしがちです。けれど、初対面でその情報をつかもうとするのは、デリカシーに欠ける行為かもしれません。

人にはそれぞれ、人生の背景の違いがあり、あまり話したくないことや、親しい相手にだけ教えたい情報などがあると思います。ですので、初対面のうちは、あまり相手のことについて踏み込んだ質問は避けましょう。年齢や家族構成などを聴きたい気持ちを少し我慢して、仕事の話などをしているうちに、互いに「デリカシーのある人だな」という気分が共有できたら、自然にそういう「踏み込んだ情報」を教え合う関係になれると思います。

出会いのコツ その3 『無愛想な人や攻撃的な人に対して気にし過ぎないこと』。初対面の人に対して、無愛想な反応をしたり、または妙に攻撃的で「最初が肝心」とばかりのマウントを取ってくる人がいますが、そういう人に対して、過度に腹を立てたり、「あの人はどういう人ですか」と噂をしたりする必要はありません。もしかしたら「無愛想な人」は、「緊張しているだけ」なのかもしれませんし、ごくまれに心理学でいう「見捨てられ不安」を持っていて、人と親しくなるのが怖い体質の人かもしれません。また、すぐにマウントをとってくるような攻撃性の強い人は、人一倍「不安や怖れ」の強い、子どものような未熟な人なのかもしれません。しばらく様子を見ながら、特に反応しないでいたら、相手は、その余裕ある態度を見て安心し、ふっと態度を変えて接してくることもあります。「無愛想」や「攻撃」などのパワーゲームにおつきあいをすることで、自分の時間を奪われることを避けましょう。

出会いのコツ その4『同僚に心を寄せすぎない』これも、自分自身への戒めのために書いておきます。若干エンパス気味の私もですが、「同僚との人間関係」を気にしすぎて、仕事以上にエネルギーを持っていかれる傾向があるからです。

「八歩美人と言って嫌われた」とか「○○さんと○○さんのどっち派」などという人間関係で悩む声も聴きますが、そういう独占欲も共依存関係も、はっきり言って「不健康」な距離感です。この仲間関係は、あくまでも仕事の同僚であり、友人ではありません。私たちが選んだのは「仕事」であって、「同僚」ではありません。ですから「同僚」にエネルギーを持っていかれて、「仕事」が二の次になるとすれば、本末転倒ということになるからです。人との距離を上手にとりながら「精神的ソーシャルディスタンス」を保ち、「仕事」に向き合う姿を見せましょう。まわりの人は、そんなあなたを信頼してくれるでしょう。

出会いのコツ その5『自分にも周りにも寛容に』心のハリ、緊張感、何が起こるかわからないという不安は、あなただけのものではありません。目の前にいる誰もが、すべて、それぞれの立場で、同じような緊張と不安を抱きながら日々を送っているのです。ですから、できれば、寛容なこころを持って世界を見回してみましょう。もしもあなたの仕事が上手くスタートできなくても、周りはそんなにあなたのことを責めたりしないのですから、慌てて「聴いていません」、「教えてくれないのでわかりません」などの弁明を申し立てる必要などないのです。自分に対しても寛容になり、「ここにいる」ことがまずは仕事、というくらいに考えて、まずは、場所に慣れることから始めましょう。「使える人材」と言われたくて、最初から張り切りすぎたりしないで、ゆっくりと職場の先輩の後ろからついていきましょう。

今回、ちょっと「まとめ」風に書いてみました。時代の後ろから、ゆっくりついていきたい私でした。

「5月病にならないように4月を生きる」それが私の今月の目標です。つまり。張り切りすぎないこと。緊張しすぎないこと。アンテナを高くしすぎないこと。考えすぎないこと。よく眠ること。年齢が生きる知恵になるように、ひきざんをこころがけて日々を送ります。すべて自分への戒めでした。

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